病院勤務医女医のロジカル?妊活、妊娠、育児、投資

勤務医です。自分が普段『とってもよい!』と思ったことを人に紹介することが大好きなのでそんなブログを作ります!

女性を軽んじる日本の生殖医療上の問題点

最近産婦人科の先生方にお世話になることが多くて本当にありがたい。学生時代の実習や研修医時代、正直身につまされて見ていられなくて、内診もきつくて、私は選択せず外科医になった。

しかし素晴らしい仕事だと尊敬する😧

(女性も私の外科に比べたら働きやすい環境が整ってることが多い!医学生、お勧めだ)

 

一方、30後半になるまで日本にここまで大きなリプロダクティブヘルスの問題があることは、医学部を出ていても、医者であっても全くの無知であったことを反省している。

 


多分産婦人科以外の普通に生きている大人の男女や医師たちは知らないと思う日本の現状の問題点について……

 

もちろんピルくらいは大学の授業でも習っていたし、比較的身近だから知っていたけど、今になって知って衝撃を受けてること。。

 

まだまだ途中ですが、とりあえずアップ。

 

 

 

①新型出生前診断NIPTの問題

採血のみで胎盤由来DNAを抽出でき染色体異常を通常7-10日で確認できる。施設が限られ諦めざるを得ないこともあり年齢も限られている。

通常20万円で高額自費診療。

産婦人科学会がなぜか中絶可能施設だけであるが広げよう(広げるのはよいが)としてオピニオン募集していた。安易な検査と中絶を生むと反対も根強い。そして厚生労働省が議論を凍結した。

 

コメント:障害のある子供を産むかどうか、それは夫婦が決めるべきこと。身体は妊婦のもの。彼らの知る権利は保障すべきだ。知識がないからきちんと自己決定できないなんて、大人を馬鹿にしすぎだ😱自己決定への知識量も未来も決めた本人が責任を負うべきことだ。

https://www.buzzfeed.com/jp/mihyonsong/nipt

 

 

 

不妊治療における着床前診断の問題

着床前診断体外受精において胚盤胞になった段階の胚(受精卵)の一部をちぎって染色体検査して、子宮に戻す前に流産の可能性の高い胚を除外すること。流産の負担が母体にいかにあるか、そして妊娠後にNIPTをするとして中絶するのか。

女性にのしかかるのは大きな心と身体の負担…。流産や中絶の身体の負担の現状は以下のとおり。

いずれにせよ技術は確立しているのに臨床研究段階で日本ではできないと見ていい😱(ごくわずかなクリニックでは出来るが)そもそも大きな遺伝病のある患者にしか認められていない…

NIPTが出来て(これも出来ているとは言えないほどではあるが)、着床前検査が出来ない合理的な理由はない。

米国では体外受精のとき当たり前に検査できると聞く。だから流産率が低い。流産が女性の身体に与える影響を分かっているのか!

 

コメント:妊娠女性の身体の健康(流産や中絶を少しでも減らせる)を1番に考えたら何故できないのか意味不明😵男女産み分けの禁止だけ期待すれば良いだろう。なぜ出来ない?

 


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9D%80%E5%BA%8A%E5%89%8D%E8%A8%BA%E6%96%AD

 

 

 

③妊娠中絶に関する法律の問題

堕胎罪が存在すること

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jalps/52/2/52_95/_pdf/-char/ja

 

コメント: 女性の身体は女性のもの。誰のものでもない。自己決定権は私にある。


https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1901L_Z11C10A1CC0000/

 

 

 

④日本における中絶方法の特異性

D&C、オペ室の予約でよく見る名前ではあるし、たぶん流産後の手術ではあるが見学したことはある。

中絶方法のなかで先進国で日本だけだったなんて😱初期は内服がWHOの推奨だったなんて知らなかった。

子宮穿孔や不妊など母体の合併症リスクが高い掻爬が当然のようにやられていることに恐怖を感じた。ラミナリアも見ててとても怖かった。

産婦人科学会、もしくは産婦人科医、そして厚生労働省は、もし自分が中絶せざるを得ないとして(想像力が足りないのか?)、自分ならどの方法でやってもらいたいか、真面目に考えた方がいいだろう。

掻爬でごりごり子宮内膜を傷つけられたいか、吸引してほしいか。そして内服で中絶できる間は負担の少ない内服にしてほしくないのか。

想像してみてほしい。

 

コメント:女性の身体に1番優しい方法にしてほしい。これが1番分かりやすく問題だと思う。中絶や手術は彼女に対する罰ではない。医療者なら、患者の身体に最も負担のない方法を選択すべきだ。

 


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%A6%8A%E5%A8%A0%E4%B8%AD%E7%B5%B6

 

 

 

⑤ピルと緊急避妊薬について

緊急避妊薬の使用についてまだ女性に任せられていない😱!

普通にピルも緊急避妊薬も薬局で売ればいいでしょう。薬剤師がリスクについて説明し、ハイリスクの患者については病院受診をすすめる等よいでしょう。転売ができないようにインターネットオークションなどではすでに医薬品は規制されているはずだし、悪用を防ぐために男性が購入することは規制した方が良いかもしれない。同時に性教育が必要だが、まず性教育で議論を終えるのではなく、1人でも多くの女性を救うために、遅滞なく『同時に』すべきだ。

 

コメント:女性が自分の身体へのリスクを認識できないかも、きちんと自己決定できるかどうかわからない…なんて、どんだけ馬鹿にしすぎ😱!

 


⑥無痛分娩の普及について

無痛分娩はたしかにリスクはある。しかし通常の分娩でも十分リスクがあるし、例えば妊娠高血圧、持病のある女性の場合は血圧を上げすぎないなどの点で無痛分娩のほうがリスクを下げられることもあろう。

私の科の治療歴があって、これから出産をするのだが、無痛がいいと思うか、という質問を受けたことがある。

私は個人的な意見として無痛分娩をお勧めした。もちろんその患者自体少ないので、無痛と普通分娩の統計的なリスクは医学的に評価されていないが、きちんと経験のある施設で十分注意すれば母体の身体には無痛分娩のほうがリスクが少ないと判断したからだ。

 

しかし例えば都内で無痛分娩のできる施設がどれだけあるだろうか。

今はまだ無痛分娩があまり都民に認識されていないからなんとかなっているが、普通に考えたら母体の身体の負担を減らし、産後うつを減らし、様々なリスクを減らせる無痛分娩が選択されていくことは当然の流れだ。

もっと分娩施設を集約するなどして、通常の分娩施設では無痛分娩が当たり前に選択できるようにするべきだろう。。。